※こちらの記事はシリーズ記事となっております。
前回の記事で導入部分についてお話していますが、特に読まなくても問題はありません。
今回からは①仕事の優先順位がつけられない人についてお話していこうと思います。
仕事が遅いと言われてしまう人の大半が、これに当てはまるのではないかと思います。
少し長めになりますので、前後編に分けました。
前編ではそういった人の特徴について、後編では対策方法についてお話していきたいと思います。
今回は前編です。”優先順位のつけられない人”とはどんな人なのか、そして周りからはどう見られているのか、といったことについて私の考えをまとめてみました。
前回の記事でもお話しましたが、私が実際に会社勤めをしていて思ったことなども含め、具体的な例をあげてお話していきます。普段の自分や、周りの人を思い浮かべながら読んでみてください。
ではいってみましょう。
仕事における優先順位のつけ方
まず、そもそも優先順位とはどのようにつけるべきなのかについて考えていきたいと思います。
仕事をしていると、やらなくてはいけない仕事はひとつではないですよね?
そしてそれぞれの仕事には、期限があります。
今日中にやらなくてはならない仕事、明後日までにと言われている仕事、来週くらいで大丈夫だよと言われた仕事・・・
これらについては”今日中”と言われたものからやっていけば良いとすぐにわかります。
では、以下のような仕事が重なった場合はどうでしょうか?
①翌日10時に来社するお客様に見せるための資料(始業時間9時の場合)
②5日後に使う備品の発注(注文前に他部署の人や上司の確認・承認印が必要)
③その日の売上金明細や業務報告など、1日の終わりに毎日必ず提出する報告書
この3つの業務が重なった時、みなさんはどれから取り掛かりますか?
続きを読む前に、少しだけ考えてみてください。
実際に会社にいるつもりになって、想像しながら決めてみましょう。
ただし、決めるのは直感で良いです。長時間考える必要はありません。
というか、長時間考えていてはいけません。
実際に仕事をする上で時間をかける事ではありませんし、そんなヒマがあるならさっさと仕事をすすめるべきですしね。
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順番は決まりましたか?
ちょっとずるいかもしれませんが、この問に正しい正解はありません。
なぜかと言うと、状況に応じて優先順位が変わってしまうからです。
ちょっと考えて、気づいた方もいるかもしれませんね。
自分が会社にいるのを想像して考えてください、と言ったのはそのためです。
これらの業務の優先順位を決めるにあたって、考えなければならない点がいくつかあります。
上記の情報だけでは、決められないのです。
①番から順番に考えてみましょう。
①翌日10時に来社するお客様に見せるための資料(始業時間9時の場合)
これだけを見ても『翌日出社してから1時間あれば終わる』と考える人もいれば『当日はお客様をお迎えする前に準備が必要だから前日までに終わらせておかないと』と考える人もいます。
そして最大のポイントですが、期限に対して”どのくらいの時間で終わらせられるか”を考えなくてはなりません。それについて私は何も書いていませんので、実際にはいつから取り掛かるべきなのかがそもそもわからないのです。
すでに用意されている社内の共通資料(会社概要など)を印刷してホッチキスで留めるだけで終わる作業もあれば、資料を1から作るためにデータを集めたりで半日以上かかる場合もありますね。
印刷して製本するだけだったとしても、ページ数や配る人数によってかかる時間は変わります。
『すぐ終わるだろうと後回しにしていたら、思っていたより時間がかかってしまった』なんてこともよくあることだと思います。
そしてこの①番の場合は特に、相手がお客様ですから絶対に遅れるわけにはいきません。
前日には終わらせておいて、直前にも最終チェックをするくらいの時間の余裕が欲しいところです。
次に②番についても考えてみます。
②5日後に使う備品の発注(注文前に他部署の人や上司の確認・押印が必要)
発注してから備品が届くまでどれくらいかかるかは商品によって変わります。
またこの場合、上司などの予定も確認しなければなりません。
発注は3日後で間に合う商品だったとしても、翌日から上司が出張でいない可能性もあります。
その場合は確認と承認印だけでも、先にもらっておかなければなりません。
特に、直属の上司だけではなく他部署の方の確認が必要な場合などは、早め早めに処理しておかないと、いざ自分の都合でお願いをしに行ったら相手が外出中でいなかった、なんてことにもなりかねません。そうなったらすべての予定が狂ってしまいます。
さらには、もし高額の商品なら、上司から上司の上司、はたまた社長の許可がないといけない場合などもあります。
こちらも、簡単に後回しにできる業務ではないことがわかります。
では最後に③番についてはどうでしょうか。
③その日の売上金明細や業務報告など、1日の終わりに毎日必ず提出する報告書
販売業などでは”その日の売上をまとめて、レジのお金も数えて合わせたら1日が終了”といった流れになるかと思います。
また営業マンも”その日どのお客さんにどんな対応をしたのか、そして結果はどうだったか、接客中以外はどんな業務をしていたのか”など1日の最後にまとめて報告したりしますね。
特に昨今では派遣社員の方も増えてきていますから、そういった方々は派遣会社への報告も兼ねて業務報告書を作成するのが一般的かと思います。
そういった報告書は、帰る前に必ず作成して提出しますよね。
ですがこの書類、さきほどの①番や②番に比べたら優先順位はどうでしょうか?
①番の資料作成が終わっていなくても、①番を翌日の朝にまわしてこの③番をやるべきでしょうか?
答えはノーです。
もちろん自己判断で勝手にやっていいことではありませんが、上司へ事情を伝えて「③番は後回しでもいいですか?」と聞くべきです。
報告書とは言っても所詮は社内書類です。
社内書類とお客様への資料、どちらを優先すべきかは明白です。
どうしても時間がない場合は、業務報告は口頭で簡単に済ませて、特に問題がなければ待ってもらうことができます。
売上金に関しても、手書きでささっと書いて渡しておいて細かい入力は後日、とすることもできます。
ですがお客様との約束は遅らせるわけにはいきませんよね。
前回の記事でお話した私の同僚は、この③番を『どうしても終わらせなきゃ』と思っていたようでした。
”当日中にやらなければならない仕事”という括りから外せなかったようです。
それで先輩から「明日渡す資料(①番)できてる?」と聞かれて「報告書(③番)が終わっていないのでできていません」と答えて怒られてしまう…というパターンが多かったように思います。
ですがこの場合、先輩側の言い分はこうです。
「明日は10時に来るお客様へ資料(①番)さえ渡せれば、その後は比較的時間に余裕があるのだから、③番はそれからやればいい」
当然です。先程の文章を読んでいれば『だろうな』と思う話です。
私がそう言ってからこのお話をしていますので。笑
前編のまとめ
このように、仕事をする上では”今現在抱えているすべての仕事”の優先順位をその都度瞬時に判断していかなくてはなりません。
そしてそれは、デキる人なら誰しもが必ず(無意識のうちに)やっていることです。
だいたいの人は頭の中で、仕事の期限と内容(どれくらいの時間がかかるか)などを整理して、何から取り掛かるべきなのかを考えて仕事をしていると思います。
私も仕事に取り掛かる直前、1日の始まりやお昼休み後、または前日の寝る前などに自然と考えていました。(私はそんなにバリバリ仕事ができる人間だとは自分でも思っていませんが、それでも1日に何度かはどの仕事から終わらせるか、という判断をするタイミングがありました)
もし、仕事が遅いと言われて悩んだ末にこの記事にたどり着いたという方は、まずはそういった仕事の順番をきちんと考えているか、そして考えているのならその優先順位の付け方は正しいのか、について考えてみてください。
今まで”言われたことをただ言われた順にやっていた”という方がいたなら、仕事に取り掛かる前に一瞬でいいので優先順位を考えてみてください。それだけでもだいぶ変わると思います。
そして一番重要なのは『その優先順位は合っているのか』という点です。
次回の記事では後編として、対策の仕方について詳しくまとめていきたいと思いますので、そちらも読んでみてください。
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